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GWの代々木アートギャラリー
現在開催中の『建築写生展』に足を運んでいただいたみなさん、
ありがとうございます。
おかげさまで好評をいただいています。

『建築写生展』の会場で、
建築科講師の横田先生に伺った
作品に対するコメントをまとめたレビューですが、
読んでいただけましたでしょうか。
レビューを読んで作品を観ていただくと、
その時代や作者の思いがさらに伝わってきます。
まだレビューを読んでいない方は、
是非読んでみて下さい。

さて、
来週からゴールデンウィークが始まります。
代々木アートギャラリーでは、
5月3日(祝)〜6日(日)の4日間休廊とさせていただきます。

なお『建築写生展』は5月13日(日)までとなっています。
まだご覧になっていないみなさん、
よろしくお願いします。


建築写生展
建築写生が入試に果たした役割を再考する。
-代々木ゼミナール造形学校所蔵作品から-
2012年4月11日(水)〜5月13日(日)
平日 11:00~18:00/日・祝 11:00~17:00
[休廊日/毎週火曜、5月3日(祝)〜6日(日)]

GWの代々木アートギャラリー_e0268545_1339957.jpg




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YOYOGI ART GALLERY
代々木アートギャラリー
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-62-3 
電話:03-3405-4751
JR山手線原宿駅竹下口より徒歩1分
東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅より徒歩3分
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代々木アートギャラリーでの展覧会ご希望等、
ギャラリーに関するお問合せは、
代々木ゼミナール造形学校までお願いします。
電話:03-3405-4751(受付時間9:30〜17:00)

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# by yoyogiartgallery | 2012-04-27 13:15 | 展覧会
第1回代々木アートギャラリー展覧会レビュー/『建築写生展』3
今回の『建築写生展』について、
造形学校芸術学科講師の佐々木(以下Sと略記)が、
建築科講師であり校長を務める横田先生(以下Yと略記)に、
会場で伺ったコメントを紹介します。


前回からの続き


 第1回代々木アートギャラリー展覧会レビュー/『建築写生展』3_e0268545_15332432.jpg

S:この根津神社を描いた作品は色彩が華やかですね。

Y:建物自体もなかなか華やかだけれど、
80年代の中頃位から、
淡彩で描くよりも色そのもので構成することが建築写生の主眼になってきた。

S:寺社建築では特に敷石を含めた地面の描き方や、
木もれ陽といった光の描写が生きてきますね。見上げる視点とか。

Y:そう。座って建物を見ている自分の目の高さを基準に、
地面や見上げる角度を設定していく。
光をコントロールすることで環境を描く。
また写生ではスケール感も重要です。

S:そうして養われた感性が、
設計という創造の過程に活かされる。

Y:と、思うな。まずコンセプトから入るとか、
いろいろなタイプの設計の仕方があって良いのだけれど、
描画で培った表現意欲というのは何ものにも代えがたいものがある。

S:特に、PC万能の現在では、と思いますね。
この会場に展示されている作品は、
人の姿が描かれていなくても、人の大切さが分かるように描かれている。
この漁具倉庫の写生は俯瞰構図ですね。
対角線に沿って奥行を出している。
手前の雑草の描きこみとか、
電信柱の影が周囲の空間を暗示しているところとか、
見事です。

Y:これも後輩たちを刺激した名作の一つ。
網を繕っている人物なんて、
色彩としてちょっと強いのだけれど、
そこに目を向けてくださいという作者のさり気ない主張があったりする。

S:この倉庫は現存していますか。

Y:いや、もう建て替えられてしまったのではないか。

S:では、史料としても貴重ですね。

Y:旧古川邸や東博の表慶館も、
ちょうど年代の異なる作品を二つずつ並べてみると、
庭木の配置なんかが変わっていることが分かりますよね。
ほら、この建物の前あたり。

S:そうですね。写真史料とはまた別の、
一人の描き手の目と手による記録です。



会場には20点の建築写生の優品が展示されており、
その1点1点について、横田先生からコメントをいただいたのですが、
ここには書き切れませんので割愛する次第。
もちろん、どの作品も絵として立派なのですが、
そうした技巧上の確かさ以上に、
何よりも建築家を志した若者たちの一作一作に込めた情熱、
描くことへの執念と愛着がひしひしと感じられる展覧会。
5月13日(日)まで開催しておりますので、
未見の方は、是非ご来場ください。
あわせて、
今春、産声を上げたばかりの「代々木アートギャラリー」、
今後ともどうかよろしくお願い申し上げます。
この展覧会レビューも随時アップいたしますので、
ご愛読いただければ幸いと存じます。

 第1回代々木アートギャラリー展覧会レビュー/『建築写生展』3_e0268545_1534303.jpg





建築写生展
建築写生が入試に果たした役割を再考する。
-代々木ゼミナール造形学校所蔵作品から-
2012年4月11日(水)〜5月13日(日)
平日 11:00~18:00/日・祝 11:00~17:00
[休廊日/毎週火曜、5月3日(祝)〜6日(日)]

 第1回代々木アートギャラリー展覧会レビュー/『建築写生展』3_e0268545_1339957.jpg




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YOYOGI ART GALLERY
代々木アートギャラリー
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-62-3 
電話:03-3405-4751
JR山手線原宿駅竹下口より徒歩1分
東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅より徒歩3分
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代々木アートギャラリーでの展覧会ご希望等、
ギャラリーに関するお問合せは、
代々木ゼミナール造形学校までお願いします。
電話:03-3405-4751(受付時間9:30〜17:00)

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 第1回代々木アートギャラリー展覧会レビュー/『建築写生展』3_e0268545_1019316.jpg

# by yoyogiartgallery | 2012-04-22 15:35 | レビュー・インタビュー
第1回代々木アートギャラリー展覧会レビュー/『建築写生展』2
先日お伝えしましたように、
今回の『建築写生展』について、
造形学校芸術学科講師の佐々木(以下Sと略記)が、
建築科講師であり校長を務める横田先生(以下Yと略記)に、
会場で伺ったコメントを紹介します。

 第1回代々木アートギャラリー展覧会レビュー/『建築写生展』2_e0268545_17244370.jpg



S:今回の展覧会のコンセプトである
「建築写生が入試に果たした役割を再考する」から、
まずお伺いします。
私見では、
写生は建築それ自体の模写なのではないか。
模型を作って、いわば建物を摸刻するということもできると思いますが、
何よりも描くことで建物の周囲の環境、
また光と空間に対する感性が養われるのではないか。

Y:もちろん、
それもあるのだけれど、
大切なのは野外制作を通じて、
表現することの苦労・努力を体感することにあるのです。
建築という表現は様々な制約を受けるし、
思い通りにいかないことの連続なわけなのだから、
時間をかけて写生することで、
個々の建物の特徴を見きわめると共に、建築の在り方、
自分なりにどう表現するかを体得する。
まず描く努力を通じて表現するための粘り強さを養う。
そこに建築写生の役割があるわけです。
長年藝大で続いてきた「建築写生」などの入試がなくなったことを
惜しむ声も非常に多い。

S:この近代美術館の工芸館を描いた作品は構図が興味深いですよね。
半地下になっている高速道路を隔てた向こうから建物を捉えていますね。
斬新な構図だと思います。

Y:そう。
この作品に刺激されて、
同じ建物を描くにもいろいろなアングルから捉えることを後輩たちが考えるようになった。

S:先輩の作品にインスパイアされることも大切ですよね。

Y:優秀な参考作品に刺激されて、同じ角度から建物を捉えて、
さらに自分なりの構図を見つけていくことが必要なわけです。

S:人にもよるのでしょうが、
何枚描くとこのように描けるようになるのでしょうか。

Y:最低でも20枚。
しかも一回一回、力を出し切る。
土曜日曜あわせて10時間ほどの野外写生で描き切ること。
最初は6時間ぐらいでやることがなくなってしまうのだけど、
積み重ねを経て、
10時間の中でどこまで描けるかという自分なりの課題が見つけられるようになる。
そうした絵心が、
工学では押し切れない建築の表現部分を支えているのだと思う。
パースを踏まえた上で、どう描くか。

この続きは次回へと続きます。

 第1回代々木アートギャラリー展覧会レビュー/『建築写生展』2_e0268545_17193654.jpg




建築写生展
建築写生が入試に果たした役割を再考する。
-代々木ゼミナール造形学校所蔵作品から-
2012年4月11日(水)〜5月13日(日)
平日 11:00~18:00/日・祝 11:00~17:00
[休廊日/毎週火曜、5月3日(祝)〜6日(日)]

 第1回代々木アートギャラリー展覧会レビュー/『建築写生展』2_e0268545_1339957.jpg




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代々木アートギャラリーでの展覧会ご希望等、
ギャラリーに関するお問合せは、
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電話:03-3405-4751(受付時間9:30〜17:00)

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 第1回代々木アートギャラリー展覧会レビュー/『建築写生展』2_e0268545_1019316.jpg

# by yoyogiartgallery | 2012-04-18 17:25 | レビュー・インタビュー